予防接種について
予防接種(公費のもの)について | |
💉 | 公費で受けられるものは、受けられる月齢・年齢になれば、体調の良い時になるべく早く受けてしまいましょう。体調を崩して間隔がずれてしまったり、どれから受ければいいのか分からなくなってしまったりしたら、ご相談下さいね。 年齢に決まりがありますので、それを過ぎてしまった場合は自費(有料)になってしまいます。母子手帳を見直して、済んでいないものがあればお問い合わせ下さい。 |
大人や思春期以降の予防接種 | |
💉 | 小学校高学年以上~成人(全年齢)で、まだ麻疹・風疹・おたふく風邪・水ぼうそうなどにかかっておらず、予防接種もしていない方は、なるべく早く予防接種を受ける事をお勧めします。 これらの病気はしばしば流行があり、小さい子供に比べて思春期以降の人たちは重症化しやすく、つらいのです。入院しなくてはいけなくなる事もよくあります。おたふく風邪は、軽く済んでも顔が腫れるので目立ちますし、男女ともに不妊症の原因になる事があります。 お子さんからもらってしまう保護者の方もよくいらっしゃいます。早めに確認しておきましょう。 予防接種にお金はかかりますが、病気にかかった時の大変さや、仕事や学校を休まなくてはならない事、入院となった時の負担や治療費などを考えれば、高いものではないと思いますよ。 院長より |
予防接種(自費のもの)について | |
💉 | 自費の予防接種(おたふく・水ぼうそうなど)を受けるべきかどうかについては色々な意見があり(中には過激な意見もありますが・・・)、「これが正解!」というものは存在しません。ですので、ご家庭の事情や考え方により結論が異なると思います。小児科医でも意見がそれぞれ異なるので、皆さんが迷われ、混乱するのも当然です。 私自身は推進派です。病気にかかってつらい思いをするのは子供さん本人ですし、家族も看病にとても大変な思いをするのをよく見るからです。軽く済んでも、1週間前後は外出禁止になりますのでストレスも溜まりますし、大事な行事(入学試験・入学式・卒業式・発表会・遠足など)に出られなくなってしまいます。 一番皆さんが不安を感じていらっしゃるのはワクチンの安全性だと思います。100%効果があり、100%安全なものができると良いのですが、残念ながらまだそんな完璧なワクチンは存在しません。しかし昔に比べると遥かに安全性が向上し、副反応もまれで軽いもの(一時的な発熱やはれ程度)がほとんどです。重症のものは極めてまれです。実際に重症化や後遺症を起こす確率は、ワクチンとその病気にかかった時とを比較すると、ワクチンの方が低いのです。つまりワクチンの方が安全なのです。 『ワクチンでは確実に免疫がつくとは限らない』というのも事実です。でも、かかってしまった時に軽く済む事が多いのです。治るのも早く、日常生活に戻るのが早くなります。 流行し始めてからあわてて予防接種に来られる方も多いですが、すでにウイルスをもらってしまっている場合もあり、ワクチンの効果が間に合わない事もあります。流行してから考えるのではなく、流行していない時に予防接種を受けて、流行に備えるようにしましょう。 自費の予防接種をする・しないは、ご家庭で話し合って決めていただくことですので、メリット・デメリットをしっかり理解した上で、一番良いと思われる選択をなさって下さいね。 院長より |
熱冷ましについて
熱が出た! | |
🌡 | 熱が高いと脳がやられる!と言うのは迷信です。41.7度未満であれば熱が身体に悪い影響を与えることはまずありません。 体が病原体と戦うためにわざわざ体温を上げているのですから、あわてる必要はありません。 赤ちゃんは部屋が暑かったり、厚着をしていたり、泣いたり、ミルクや母乳を飲んだり、といった事ですぐに体温が上がります。お熱かな?と思ったら、少し涼しくして30分ほど安静にしてからもう一度体温を測ってみましょう。 ただし、生後4ヶ月未満の赤ちゃんの発熱は重症の病気の事がありますので、安静時に測り直してもお熱があるならすぐ診察を受けましょう。4ヶ月以上のお子様は、痙攣などの異常が無ければ診察時間までお家で安静にしながら待っていても大丈夫なことがほとんどです。 |
熱冷ましは一時しのぎ | |
🌡 | 熱冷ましは熱によるつらさを軽くするための薬で、病気を治すものではありません。 0.5~1度下がればいい方です。特に熱の出始めはあまり下がらない事が多いです。 解熱剤を使っても下がらないから重症、という事ではありません。病気と闘うために体が頑張っているのです。 水分をまめに与えて、つらそうなら氷枕を使っても良いでしょう。お子様が嫌がるなら冷やさなくてもいいのです。熱を下げることばかりに気をとられず、寒がる時は少し暖め、熱が上がりきったら少し薄着にして体温を発散させましょう。 |
熱冷ましの使い方 | |
🌡 | ・38.5度以上で辛そうにしていたら使えます。 ・子供は熱には強いので、高熱でもまずまず元気なら使わなくてもいいのです。 ・眠っている時に熱があるからと熱冷ましの坐薬を使うとお子様が目を覚ましてしまい、ぐずってよけいにしんどくなってしまいます。眠っている時はそのままゆっくり休ませてあげましょう 。体温は布団を薄くするなどして調節してあげましょう。 ・6時間以上経てば再度使ってもいいですが1日3回ぐらいまでにしておきましょう。 |
坐薬か飲み薬か | |
🌡 | 効き目は同じですが、坐薬の方が早く効きます。 吐く子には坐薬を。下痢の時や坐薬が嫌いな子には飲み薬を。 吐き気止めや痙攣止めの坐薬とも一緒に使えますが、混ざると両方の薬の吸収が遅くなってしまいますので、できれば30分ほど時間をずらして使いましょう。順番はどれからでも良いのですが、痙攣止めをを使う場合は痙攣止めの時間を優先しましょう。 坐薬と飲み薬を同時に使うのはやめましょう。 |
嘔吐・下痢の対処法
嘔吐・下痢はなぜいけない? | |
🍼 | 子供は大人に比べると、非常によく吐き、下痢をします。そして、数回嘔吐や下痢を繰り返すと、簡単に脱水症になってしまいます。 子供は大人に比べて体が必要とする水分量が非常に多く、体が小さい分、蓄えが少ないために簡単に不足状態に陥ってしまうのです。 |
脱水症を防ぐには? | |
🍼 | 脱水症にならないようにするためには、嘔吐を止め、水分を補給しなくてはなりません。 しかし下痢は、初期の段階で強力に止める薬を使うのはあまり好ましくないと私は考えます。おなかの中にまだ下痢の原因である細菌やウイルスがたくさんいる状態で下痢を止めてしまうと、おなかの中で細菌やウイルスがどんどん増加し、余計に悪化することがあるからです。 水分補給の大切さは皆さん分かっていらっしゃると思いますが、やり方によっては余計に脱水症状を進行させてしまう場合があります。おなかの状態を考えずにどんどん飲ませるのは逆効果です。 |
吐いている時はどんな状態? | |
🍼 | 吐いている時は、胃腸の動きがめちゃくちゃになってしまっています。胃に物を受け付けなくなっているから吐き出しているのです。食べ物も水分も同じです。 そんな状態では水分補給は不可能です。飲んでも結局吐き出してしまいます。吐く時に、飲んだ分だけ吐き出すのならまだいいのですが、胃液なども一緒に吐いてしまうため体の中にあった水分や塩分など必要な物までどんどん吐いてしまい、水分以外の物まで不足してきてしまうのです。 |
吐いたらどうすればいいの? | |
🍼 | 吐いた時は、しばらく(1時間ぐらい)は胃腸の動きが落ち着くまで、何も飲食させずにおなかを休ませましょう。 吐いた後は、口の中が気持ち悪かったり、のどが渇いたりするため、子供はよく水分を欲しがります。しかし、そこで飲ませてはいけません。上にも書いたように、飲んで吐いて、飲んで吐いてを繰り返して脱水をひどくさせる悪循環になってしまうからです。 どんなに欲しがっても、おもちゃなどで気を紛らせてあげて下さい。 どうしても我慢できない場合は、小さな氷のかけらやアメ、ラムネなどを少しだけ与えてみましょう。小さなお子様は、のどに詰まってしまう事がありますので避けて下さい。 |
吐き気がおさまったら | |
🍼 | 1時間ぐらいたって胃腸の動きが落ち着いてくると吐き気がおさまってきます。そうしたら少しずつ水分を与えていきましょう。子供用のイオン飲料やお茶、湯冷まし、薄めたリンゴジュースなどがいいでしょう。 初めは10~20ml程度(大さじ1杯前後)を飲ませてみます。そして20~30分、吐き気が再び現れないかどうか様子を見ます。大丈夫なら、20~30ml飲ませて、20~30分様子を見ます。大丈夫なら同じように様子を見ながらだんだんと量を増やしていきましょう。 また吐き気が現れたら、まだ胃腸の動きが荒れていて受け付けない状態ですので、また1時間ほど、何も与えず(我慢できなければ氷やアメなどを少量だけで)様子を見ましょう。そしてまた、少量の水分を与えていきましょう。 |
水分が摂れるようになったら | |
🍼 | 水分がしっかり摂れるようになったら、食べ物を少しずつ与えてみましょう。 柔らかいおかゆや、リンゴのすり下ろしなどが、おなかへの負担が軽くていいでしょう。初めはどろどろの、形のない物を与えます。 どろどろの物が食べられるようなら、柔らかい、少し形のある物を与えてみましょう。柔らかく煮込んだうどんや、ゼリー(こんにゃくゼリーはだめですよ)、お豆腐などもいいでしょう。 少しずつ固い物にしていき、徐々に消化のよい普通の食べ物に近づけていきましょう。 |
吐き気止めはいつ使う? | |
🍼 | 家に吐き気止めがあれば使ってあげるといいでしょう。 1~2回吐いて、後はスッキリしているようなら使う必要はありません。しかし何回も吐いたり、吐かなくてもムカムカと気分が悪そうな様子だったり、えづいていたりするようなら、無理に我慢させず使ってあげましょう。 吐き気止めには、飲み薬と坐薬があります。どちらでもかまいませんし効き目は同じなのですが、坐薬の方が早く効きます。また吐いている時に飲み薬を飲んでも、効果が現れるまでに吐き出してしまう事も多いため、坐薬をお勧めします。でも下痢も激しい場合は坐薬が出てきてしまうので、その時のお子様の症状をみて、飲み薬と坐薬の両方があるなら、どちらが成功しやすそうか見て使ってあげて下さい。 吐き気止めの飲み薬や坐薬は、両方を一度に使わないで下さい。1回使ったら、8時間は間をあけるようにして下さい。 痙攣止めや熱冷ましと一緒に使う事はできます。どれも坐薬の場合は、どれが先でもかまいません(痙攣止めの時間は最優先させ下さい)ので、できれば30分ほど間をあけて使うといいでしょう。一度に使っても体に悪いわけではありませんが、混ざると吸収に時間がかかるようになるため、なかなか効き目が出てきません。 |
それでも脱水になったら? | |
🍼 | おなかを休めたり坐薬を使ったりしても、よくならない場合はもちろんあります。症状が強い場合は、家庭での対処だけではおさまりません。 そうなれば点滴が必要になります。口から水分が摂れないので、血管に直接水分を届けてあげるのです。胃腸にも負担をかけず、吐き出す事もありません。クリニックでの外来での点滴だけではおさまらないほどひどい場合は入院する必要があります。その時は病院を紹介致します。 おしっこの回数や量が減り、ぐったりしてきたら薬が有っても受診して下さい。点滴が必要かどうか診断します。 『脱水にならないように、前もって早めに点滴をすればいいのではないか?』と思われるかも知れませんね。でも、脱水になる前に点滴をする事は、痛いだけであまり意味のない事なのです。脱水になる前に点滴をして水分を入れると、大半がおしっこになって出て行ってしまうだけなのです。 スポンジを思い浮かべてみて下さい。水分がまだしっかり含まれているスポンジに水をかけると、余分な水は流れ出してしまいますよね。乾いたスポンジに水をかけたら吸い込んで水を含みますね。脱水になる前に点滴をするという事は、水を含んでいるスポンジに水をかけるのと同じような事なのです。 |
受診のタイミングは? | |
🍼 | 嘔吐や下痢の原因はたくさん有ります。症状が有れば受診し、治療を開始する必要があります。 しかし困るのは夜や休日に症状が出始めた場合です。1~2回吐いたり下痢したりした程度なら、少し様子を見ましょう。手持ちの薬を使ったりおなかを休めたりして落ち着くようなら、あわてて救急病院を探して受診する必要のない事が多いです。症状が軽ければ翌日まで待ってもかまいません。 しかし、頭をとても痛がったり、血便がでたり、転げ回るほどおなかを痛がったり、ぐったりした状態が続いたり、といった場合は夜間や休日の応急診療所を受診しましょう(当サイト『時間外の医療機関』を参照ください)。 |